≪読みモノ≫ 2018-01-12 12:04

パルコプロデュース2018『アンチゴーヌ』学生モニター感想が到着!≪第1弾≫

アンチゴーヌ_宣材ヴィジュアル

ゲネプロをご覧になった学生モニターの皆さんより感想が到着!

気になっているけれどもどんな作品なのかもう少し知りたい…という方はぜひこのみずみずしい、ストレートな感想をお読みいただき、ご参考にしていただけたらと思います!

 

まず、セットのみどころは十字架状の通路である点だとおもいます。これにより、観客が十字のあいだに入って、より俳優にちかくなります。役者の表情だけでなく、肌の質感や衣装の質もわかりました。私にとっては、映画ではわからない、俳優が役に入っていく瞬間が体感できたことが、一番たのしかった。
一方、アンチゴーヌのストーリーが、精巧なドラマですが、私にとって感情移入はできませんでした。それは、王女が最初から死にたがっていて、結果死んでいき、その点では人間として発展性がないように見えたためです。ただ、この劇は元来そのような趣向なのかもしれません。

 


 

蒼井優さんの真っ直ぐとした目線が、何かを残酷な目線で物事を見ているようで、アンチゴーヌそのものでした。本当に手で触れられそうな距離に役者さんがいるので、物語にのめり込んでしまいました。貴重な体験をしたと喜びを感じています。あの会場だからこそ、あの近さで最も良い演出が出来たと思いました。
服装もセットもシンプルな作りになっていましたが、とても分かりやすい演出だと思いました。私は自分を突き通せなければ死んだ方がマシだという若さゆえの狂いと、生きるためならどんな事でも犠牲にするという大人ゆえの狂いがぶつかり合うところが一番面白い所です。
個人的に印象的だったのは最後に米兵があれだけアンチゴーヌ達に関わっていたのに、仲間達と最初のように呑気に何事もなかったかのようにトランプをしているところが残酷だなと感じました。でも、きっと歴史はそうやってたくさんの人に忘れられていくことの方が多いし、私自身も米兵達のように何かを忘れているのかな思いました。

 


 

この劇場に来たのは初めてでした。
クロスの舞台を客席が囲む。
舞台セットは、椅子だけ。
不思議な世界観の舞台でした。
アンチゴール役の蒼井優さんが出てきた時、まず細いなって思いました。
役に合わせたのか、やつれてる感じがよかったです。
蒼井優さんは、30代なのにまるで小さな子供が騒いでるような幼さを感じました。
アンチゴーヌの強く、かっこいい姿にとても胸を強く打たれました。
アンチゴーヌの声にならない悲痛の叫びが表情から感じられ観ていてとても悲しくなりました。
自分に自信の無い女の子。
小さな小さな守ってあげたくなるようなそんな女の子でした。
家族のことを思うなら、兄を見捨てて残った姉や婆やを救ってあげるべきなのかもしれません。
でも、それができないのはこの子は純粋すぎるからなのだと思いました。
この作品は誰が悪いわけでもない。
純粋すぎる作品なんだと思います。
アンチゴーヌは、ただ兄を救いたかっただけ。
クレオは、王としてのプライド。
国を収めなければいけない孤独な心。恐れに勝ちたかっただけ。
兵士だって、家族を守るために情けを捨てなきゃ行けなかっただけ。
人間の当たり前な心を純粋に描いただけ。
それが悲劇となってしまった。
結局誰も救われないのです。
それが、とても悔しくて悲しかったです。
アンチゴーヌとクレオ王が自分の言いたいことを叫び続ける場面は、お互いの気持ちは分かるし。
他に、解決する方法も無かったのだと思います。
生瀬さんは、本当にこの王様は悲しい人だと思わせる演技力でした。
作品としては、難しかったのですが、新しい舞台の幅が広がりました。
この作品に出会えたことに感謝しています。
ありがとうございました。

 


 

自分は最初に十字型の舞台を見て今まで特殊な形の舞台は見たこと無かったので面白いなと思いました
十字型なので中心に一人いて周りの人が囲むと逃げ場がないという威圧感を感じました
でも十字型なので自分の席の横側の方に人がいると見づらくなってしまったりもするんだなと思いました
劇中で何回か下に降りてきてすぐ目の前に来た時はさらにすごい迫力を感じたのと本当は手を伸ばせばとどいて触れる距離なのに目の前にあるのは全くの別世界で仮に手を伸ばしても触れないんじゃないかと思うほどでした
真ん中の穴に落ちる時途中までは階段に見えたけど途中からは違うように見えたのでどうなっていたのかということと最後に落ちてきていた砂はどのような意味だったのかが自分には分からなかったので気になりました

 


 

今回の舞台でまず最初に衝撃だったのがやはり舞台の形です。十字架のような舞台に、椅子が2つ。そして照明が下がっているというなんとも不思議な空間でした。
舞台中に役者さんがすぐ目の前を通るのも迫力を感じました。

そして、世界観も本当に素敵で、蒼井さんの全身で表現する姿や、登場人物の全員が必死に生きていて、心情の変化や事情がとても現れていてリアルを感じました!

内容は少し難しかったですが、視覚が本当にたのしくて、客席にきたときにさす陽のような光や十字架にまっすぐ線を引いたような光、ラジオのような音質の音楽などの聴覚も重なって、全く飽きることなく世界観に引きずり込まれました。

今回観劇できて、本当に光栄でした!
ありがとうございます

 


 

1月8日、新国立劇場で舞台「アンチゴーヌ」のゲネプロを見た。
劇場に入ってまず興味を引かれたのは、客席が十字型の舞台を囲むようにして設置されていたことだ。私は今までこのような客席の配置で観たことがなかったので、新国立劇場が全く別の劇場のように感じて、これから何が始まるのか、期待が高まった。
舞台は、客席との距離が近く、臨場感に溢れていた。舞台を観る、というよりも、見てはいけない世界を覗き見ているような感覚に近かった。
最初は、自分のしたいように生きたいと強い信念を貫くアンチゴーヌに共感した。しかし、クレオンとの長いやり取りを聞いているうちに、両者とも、自分の主義があり、正と悪の戦いではなく、正と正のぶつかり合いなのだとわかった。これは、現代の世の中にも通じるところがあると感じた。
大人になるという意味や、人々にとって本当の幸せとは何なのか、など沢山のことを考えさせられた作品だった。

 


 

目と鼻の先で繰り広げられる人の正義のぶつかり合いに、ずっと見入ってしまった。アンチゴーヌとクレオンが持つそれぞれの信念は、同じ「信念」という言葉で片付けられても全く異なるものに感じた。

アンチゴーヌの、自分の心に忠実に従った、傲慢で何もかも壊してしまうような信念。クレオンの、国の安定を守るがために、たくさんのものから目を背けるという信念。純粋すぎるアンチゴーヌの信念は、結果として己や愛する人の身を滅ぼしてしまう。しかし、本当は自分のことしか守ろうとしておらず、たくさんの人を失望させたクレオンの信念のほうが、私は脆く愚かで罪深いと思う。

でも、今生きる私たちのほとんどの人は、そのクレオンの考え方で生きているだろう。いじめだって、見ているものは「仕方がなかった」と言って自分を守るために息を潜める。怖がって本当に正しいことをしない。確かに声を挙げた先には悲劇が待っているかもしれないが、私にはその道を選んだアンチゴーヌの姿が美しく見えた。「子供だ」と言われたこの信念を、私は大人になっても何とかどこかで持っていたい。

今まで神話を題材とした舞台をいくつか見たことはあったが、毎回どこかで取っつきにくい感覚を覚えるものが多かった。でもこの作品では、舞台の進行がわかりやすく、登場人物の心情をしっかりくみ取る余裕が持てた。また、役者との距離が近いため緊迫した息遣いや表情を鮮明に観られて、物語により入り込むことができた。とても面白く、考えさせられる舞台だった。もう一度見たいと思った。

 


 

客席に入った瞬間驚きました。十字型の舞台は初めてでした。終始、反対側に座るお客さんと向かい合わせで緊張が続きました。有り難いことに一番前のお席で拝見させていただき、迫力満点で役者さんが吐かれる唾まではっきり見えました。蒼井優さんは、アンチゴーヌの心の葛藤や狂気を見事に演じられていて、その迫力に思わず口をぽかんと開けて見入ってしまいました。生瀬さんは王としての責任や立場に苦しむクレオの哀愁や威厳を細かく表現されていました。私は終演後、オペラの『アイーダ』を思い出しました。アイーダは愛する人と結ばれるために自ら穴に入っていきますが、アンチゴーヌも自ら死を選び、穴の中で死と共に愛する人と結ばれるという結末はどこか似ていると感じました。私は『人間は亡くなった人を穏やかに忘れていく』という台詞が印象に残っています。人間は儚いと切なくなりました。でもだからこそ、今を大切に生きようと思いました。高校卒業間近に、改めて人間の個々の一生について考えることが出来ました。今回、このような貴重な機会を頂いたことに感謝いたします。

 


 

舞台を観て私は、アンチゴーヌが嫌いだ。と思った。1人の人間としてアンチゴーヌが私には受け入れられなかった。
私は彼女に、私に足りていないものを突きつけられた感覚を覚え同時に追い詰められてしまったのだと思う。もしかしたら私の立場はクレオと同じなのかもしれない。

十字路に設置された舞台は、開場した人達にガツンと強い印象を与える。小劇場の空間を余す事なく使い、アンチゴーヌのスケールの大きさを表しているように感じた。音響、照明とともに凝った印象であり、あの世界観をしっかり支えているように思えた。

私が今回一番、舞台上で目を負ってしまったのはクレオだ。
最初は王の偉大さが彼の背中や仕草、言葉から感じる事が出来た。しかし、終盤に行くにつれ彼の放つ生命力が急に小さくなったように感じた。それはアンチゴーヌの生命力の強さの表れでもあったのだ。

なぜアンチゴーヌは死を選んだのだろう。「今すべて欲しいの。今すべてを感じたい」私はこの一言が全てなのかもしれないと、この問いの先に感じた。
父から受け継いだその傲慢さが逆に彼女を死へと導いたのだ。
そう思うと、彼女の自己満足に付き合わされ全てを失ったクレオはむしろ被害者だ。同じ立場に立たされた者として私は彼があの物語の後に幸せになる事を密かに願わずにはいられなかった。

 


 

「アンチゴーヌ」を観て、圧倒されたという言葉が一番最初に頭をよぎりました。
前日にあらすじを調べてから行ったのですが、実際に見てみると難しくて頭が追いつかなかった所がありました。そのせいもあり、面白かったというよりか、「アンチゴーヌ」という少女の考え方、よくよく考えてみれば、兄を埋葬したいだけなのことのはずなのに、自分だけ違うという感じ、まとめられないのですが、よく分からない感動と言っていいのか、そのようなものが観ていて、心に残りました。
そして、アンチゴーヌが自分から暗い穴に入って行くシーンの演出が印象的で、片腕をあげながら穴に入って行く、これにはアンチゴーヌなりの最後の抗いなのか、全てを受け入れてのあの行動なのか、不思議で印象に残りました。
圧倒されたと最初に言っていましたが、これは見終わった後に、他の舞台なら感想などがポロポロ出るのですが、この舞台はいい意味で有無を言わさない感じがしました。

 


 

まず、劇場に入ってすぐ客席と舞台の距離の近さに驚きました。舞台の形は事前に調べていたので想像していたのですが、あまりにも近い舞台に、始まる前からわくわくしてしまいました。
開演してからは、静かな劇場に足音だけが聴こえて、たくさんのキャストさん達が4方向から出てきて、目がもっと欲しいと思うくらい見回してしまいました。緊迫感がもの凄かったです。
この劇は、音響が少なく感じましたが、足音や服がなびく音、役者さんの呼吸の音などがリアルでアンチゴーヌの世界観に惹き込まれました。

 


 

まずは役者についてです。
それぞれが大きく動いていて、とても見やすかったです。そして喋っていない役者もしっかりと話を聞いていて不自然な感じはありませんでした。
しかし、声が所々小さくなってしまい聞き取りづらい部分がありました。またしっかりと照明の当たる部分に入っていない部分がありました。顔が暗くなってしまい表情が見えなくて分かりづらかったです。
 次に音響です。
全ての曲がカットアウトだったのがもったいないような気がしました。フェードアウトか、あげてからカットアウトなどでもいいのかなと感じました。
 照明は道の真ん中のラインが特に好きでした。
白いラインを塗っているわけでもないのにそこだけ光っていてとても不思議な感覚でした。私の友達も、そのラインを不思議がっていました。
 上に書いたことが見てて感じたことでした。プロがやっていることは自分達とはレベルが違うなと感じ、とてもいい刺激になりました。本当にありがとうございました。

 


 

私は初めて「アンチゴーヌ」を観ました。どんな話なのか知りませんでしたが、アンチゴーヌの最初の方の台詞でばあやに言い訳をしている所で、「野原が私をまってたの!」みたいなことを言う所かからどんどんと引き込まれていきました。最初は、難しい話かなと思ったりもしましたがどんどんと世界に引き込まれていきました。私は演劇部の公演で大きな舞台に立てたらいいなと思ってきましたが、この作品をこの小劇場で見ることが出来てとっても近くて、小劇場の良さを感じました。こんな舞台も立ってみたいと思えました。そして、私も蒼井優さんのような色々な演じ分けや、細かな演技が出来る役者を目指したいと思いました。表情とか、身体のちょっとした動きが「本当にこういう状況になったらそういう反応するだろうな」という動き、反応だったのでそれが素晴らしかったです。

 


 

良かった点
舞台と観客が近いと思いました。単に距離が近いというだけでなく、役者さんの演技の力で自分たちが劇の世界観に引き込まれたような感じがしました。
照明が舞台を引き立てて、舞台の空気を作っていると思いました。特に主張するわけでもなく、気づいたら舞台の空気が出来上がっている感じがすごいなと思いました。

気になった点
音響で大きすぎる部分があった
演出上、音響の音を大きくする部分があるのは仕方ないと思いますが、それにしても大きすぎると思うところ(アンチゴーヌが衛兵に連れていかれるところ)がありました。
舞台の形は十字でなくても良いのではないか?
確かに、横を見る動きがあるので観客は飽きないと思いますが。知らない人と目を合わせてしまったり、死角が出てきたりしてしまうので、十字ではなく、円形や単なる長方形に近いような形の方がすべての客席から舞台全体が見え、良いのではないかと思いました。

 


 

劇場に入った瞬間、異様な緊迫感と静けさに包まれました。舞台の形が十字架でその周りに客席がある形は、なんとなく自分もその舞台の一部になったかのような気持ちになります。開演するまでの数分間、声を出すことにどこか緊張を覚えたのはきっとわたしだけじゃないと思います。
内容は難しくて、もう一度観たらちゃんと理解出来るところがあるだろうなって思いました。
考えたことは、大人とはどうなったら大人になるんだろう、ということです。大人になりきれていない子どもと、子どもから卒業しきれていない大人。似てるけど、ちがう。
自分は今、子どもでも大人でもない年齢なので、余計にそうゆうことを考えてしまうのかもしれません。
観た人それぞれが、それぞれの思いを抱く作品だなって思いました。
舞台と客席が近くて、前列の人は手を伸ばしたら届きそうなくらい近くで役者さんが演じていました。役者さんの息遣い、熱量、とてもエネルギーを感じました。
元々蒼井優さんが好きだったのですが、今回初めて出演されている舞台を観て、さらに好きになりました。本当に人の目を惹きつける人なんだなと思います。
またもう一度観に行きたいと思います。

 


 

今回は「アンチゴーヌ」ゲネプロにご招待していただきありがとうございます。今回の劇の何よりの見所はやはり舞台が十字になっていたことで、観客がこれほどまでに一体している劇に私は初めて出会いました。舞台と席がとても近かったため、蒼さん、生瀬さん初め俳優の皆さんの体からにじみ出る雰囲気や瞬きさえも感じることができ、生声だったことでさらに臨場感を掻き立てられました。また、アンチゴーヌが十字の中央にスコップを刺すシーンや、腕を広げて体を倒れたシーンはキリストを想起させられ、全体的に2時間とは思えない濃密な劇でした。最後に砂が落ちてくる演出は墓を連想させるだけでなく、すべてが崩れて粉々になっているような様子を表しているように感じられ、難しい劇ではありましたがすっきりと見終えることができました。
さらに、私は舞台の照明にとても感動しました。四つの簡素な電球、地面や壁を照らす長方形のサス、アンチゴーヌが実際に処刑される際の舞台の横についていた蛍光灯のような無機質な光、砂が落ちてくる時の照明、すべてがシンプルであるのに一つ一つに意味があってとても考えさせられました。今回は本当に素敵な機会をありがとうございました。

 


 

私はこの人寄りの人だ、と、思って観ていても、話者が変わると、この人のこともちょっと分かるかも、と、思い、でもそうすると、そんな風に分かりたくなんかない、と、思う、正しいのか正しくないのか、善なのか悪なのか、といった、二元論では答えが出ませんでした。

十字になった特設ステージが、観客が俳優を取り囲むようなステージが、それに沿ったように真っ直ぐ伸びる白が、中央で交わる二本の白が、何のためだったのか、アンチゴーヌが横たわったとき、なるほど、と、息をつきました。

激しい音響や、照明変化の回数が限られている分、一つ一つの表現がすごく重く、自分にあたってきました。

新国立劇場で観劇させていただくのは、今回で3回目でしたが、どの公演を観ても、「ああ、これが新国立劇場なんだな」という、読後感のようなものを感じ、どの公演を観ても、私がもっと年をとって、おばあちゃんになってから、また観に来て、今日のことを思い出して、自分の生きてきた年月を噛み締めたいな、と、思います。

 

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【公演概要】
パルコ・プロデュース2018『アンチゴーヌ』

日程・会場:
2018/1/9(火)~27(土) 東京・新国立劇場 小劇場〈特設ステージ〉
2018/2/3(土)~4(日) 松本・まつもと市民芸術館〈特設会場〉
2018/2/9(金)~12(祝・月) 京都・ロームシアター京都サウスホール〈舞台上特設ステージ〉
2018/2/16(金)~18(日) 豊橋・穂の国とよはし芸術劇場PLAT〈舞台上特設ステージ〉
2018/2/24(土)~26(月) 北九州・北九州芸術劇場 大ホール〈舞台上特設ステージ〉

作:ジャン・アヌイ
翻訳:岩切正一郎   
演出:栗山民也 

出演:
蒼井 優、生瀬勝久、
梅沢昌代、伊勢佳世、佐藤 誓、渋谷謙人、富岡晃一郎、高橋紀恵、塚瀬香名子