・インタビューしちゃいました!! 2016-07-16 10:02

Dステ19th『お気に召すまま』 青木豪&柳下大 インタビュー

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Dステ19th『お気に召すまま』
青木 豪&柳下 大 インタビュー

 

Dステ シェイクスピアシリーズの第三弾『お気に召すまま』が今秋上演される。
ワタナベエンターテインメントの若手俳優を中心に結成された「俳優集団D-BOYS」による演劇ユニット公演、通称“Dステ”19番目の演目。

演出と上演台本を手掛けるのは、これまでDステで『ヴェニスの商人』『十二夜』を上演してきた青木豪。松尾貴史や鈴木壮麻、石田圭祐らベテラン俳優を客演に迎え、さらに「シェイクスピアも当時そうしていたに違いない」と戯曲から読みとった1人2役キャスティングで最高のコメディに臨む。

物語の中心人物・オーランドーを演じるD-BOYSの柳下大。そして青木豪が作品にかける意気込みを語った。

 

――今回の演目に『お気に召すまま』を選んだ理由は?

青木「シェイクスピアの悲劇は基本的に中心人物しか目立たないので、Dステでは群像劇である喜劇をやりたいというのが最初からありました。『お気に召すまま』は一点の曇りもない喜劇。かなり強引にも見えますけど(笑)、排斥される人がいないんです。登場人物全員がどこかの鞘に収まる、幸せな作品だと思います」

 

――作品の印象は?

柳下「青木さんの上演台本を拝見したのですが、まずシンプルで分かりやすい物語だと思いました」

青木「今回の作品は『宮廷』と『森』にいる場面の二面性をより強調したいと思ったので、その辺りの構成を変えました。これが言いたかったのだろうというところを描いています。シェイクスピアは大体そうなんですけど、しゃべり過ぎなんです(笑)。当時ウケたというのはあると思うんですけど、400年経って使えないものもあるので…」

柳下「正直『助かるー!』と思いました(笑)。シェイクスピア作品に出演するのは初めてなのですが、難しいものというイメージがあったんです。でも青木さんとDステのシェイクスピアシリーズはとても観やすかったので、最初にシェイクスピアをやるならDステのシリーズに出られたらと思っていました」

 

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――配役、役どころについてはいかがですか?

青木「今回は何より一人二役キャスティングというところですね。以前『リチャード三世』を翻案させて頂いた時、アン王女という役がほとんど出てこなかったんですよ。ちょっとだけ出てきて、気がついたら死んでいる(笑)。そのことについて翻訳家の松岡和子さんに聞いてみたら、『他の役をやってるのよ』と。これは面白いなと思いまして。それまでの作品でも出番が少ない役は何役かやってもらっていたんですけど、松岡さんから香盤表を作ると分かりやすいと言われて、『お気に召すまま』の香盤表を改めて作ってみたんです。そうしたら『あれ? コイツとコイツは同じ役者がやっていたんじゃないか?』とクリアに分かってきました」

柳下「自分の役の印象は、とにかく真っ直ぐで恋人に対して一生懸命。その懸命さが出れば面白いのかなと思っています。個人的にはカッコイイ役をあまりやってきていないので、とことん二枚目を演じるということが今回の課題ですね。それが出来れば自ずと喜劇になるのではないかと思います」

青木「柳下くんは他の舞台で拝見した時に、声質がとても良い役者さんだと思っていました。声が低めだとお芝居が締まるので、オーランドー役でこの作品の中心を締めて欲しいなと。柳下さんは一役ですが、オーランドーは間抜けな面もある男前の役。その二面性が出たら面白いと思います」

柳下「久しぶりに一緒にお芝居をやりたいなと思うメンバーが揃ったので、楽しみです。加治(将樹)・牧田(哲也)の振り幅、遠藤(雄弥)・山田(悠介)の女役も強烈なインパクトがあると思います。西井(幸人)の女役はなんとなく想像が付くんですけど、相手役のロザリンドを演じる前山(剛久)はわりとガッシリしているので(笑)。どう見せてくれるのかなと期待ですね」

青木「配役の一部はオーディションで決めたのですが、遠藤くんと山田はいきなり面白かったんです(笑)。前山くんはこのシリーズに初参加となるのですが、すごくまじめに取り組んでくれました。僕も三作目なので色んな挑戦が出来たら楽しいなと思いましたし、慣れ合いやお互い分かった風になるというのが一番良くないなと思うところもあって。今までのシリーズに出演してきたメンバーも、前と違う役でキャスティングしています。D-BOYSはみんな若いところが魅力でもあると思うので、年齢層が高い役は以前からやりたいと思っていた方にお願いしました。前々から熱望していた松尾貴史さん、石田圭祐さん、鈴木さんは『こんな役でいいんですか?』と思いつつ、歌のシーンはこの芝居においてとても重要だと思うので、絶対的に上手い方がいいなと思って鈴木さんにお願いしました」

 

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――Dステならではのところを教えてください。

柳下「作品や年齢毎に変わってきていますが、自分だけ良くなろうという気持ちではなく、作品自体が良くなって欲しいという意識がDステには強いですね。お客様に出す前の話ではありますが、翻訳の方や演出の方の気持ちを掴めないと面白い作品に導いてもらえない。D-BOYSという集団を魅力的に思ってもらいたいので、そこに向かって努力出来ているか、という目線は僕だけじゃなくみんな持っているのではないかなと。良いモチベーションでいけたらいいなと思います」

青木「先輩は後輩の面倒見がいいですね。僕が見られないところを上のメンバーがフォローして作ってくれているなと思います。それと“Dステ”でシェイクスピアをやるという特殊さが面白いのではないでしょうか。この括りだと色々試せますし、一緒に遊んで試みることが出来る、楽しい実験室という感じです。彼らの強みである『若さ』とはなんだろうと考えた時に、それは『遊ぶ』ということだろうと。『これはお芝居なんだ』と思うものを使って遊べればと思って作っています。今回はシンプル・イズ・ザ・ベストな感じを目指しているのですが、日本人がシェイクスピアをやっていてもおかしくない世界観を作り上げたいと思っています」

 

取材・文 片桐ユウ

 

【公演情報】

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Dステ19th『お気に召すまま』

日程・会場:
2016/10/15[土]~31[月] 東京・下北沢 本多劇場
2016/11/19[土]・20[日] 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール

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★プレリクエスト抽選先行
東京公演 7/19[火]12:00~24[日]23:59
兵庫公演 7/13[水]15:00~20[水]23:59