・連載―ゴジゲン目次の ボクには下校のチャイムが聞こえない! 2017-11-17 12:46

【連載】第6回「東迎の人生向かい風ッ!!!」 vol.3

5

「ゴジゲン」の目次立樹(メツギリッキ)です。
さて「ゴジゲン目次の ボクには下校のチャイムが聞こえない!」略して「ボクチャイ!」なんですが、なかなか下校できない大人たちに贈る、甘酸っぱくない、むしろ饐(す)えたテイストのコラムです。

今回は「東迎の人生向かい風ッ!!!」ということで、この度ゴジゲンに新しく加入した東迎の昂史郎(ヒガシムカイコウシロウ 通称:トンコツ)の、世間の逆風に耐えながらも逞しく生きる男・東迎の生き様を皆様にご紹介します。

 

~前回までの流れ~
石垣島に生まれ育ち、ジャッキー・チェンに憧れ上京した東迎は、何を血迷ったか「ゴジゲン」という劇団員になる。
ゴジゲンにのめりこむ東迎。
遠ざかるジャッキー・チェン。
しかし彼が入団して三か月後、ゴジゲンの活動休止を発表。
東京を去り、千葉で肉体労働をして暮らす東迎。
最愛のパートナーとも出会い、ささやかながら幸せを手に入れる。
しかし、何かが足りない!?!?
劇団復活を願いゴジゲンのブログを更新し続ける東迎。
気付いたら3年もの月日が流れていた。
もう自分には舞台の上に立つ日は来ないだろう。
そう思っていた矢先、朗報が彼の元に舞い込んだ。
ゴジゲンが復活するっ!?!?

 

彼は興奮のるつぼにいた。
なんと、自分も出演を依頼されたのだ!
当初、松居と目次の名前しかなかった出演者の欄には、続々とメンバーが追加されていった。

まずは、最年長の本折最強さとし

 

about_img_motoori

最強と東迎は、ゴジゲンの「美しきラビットパンチ」という、ボクシング部の補欠達が、いつだって物語の主人公になっちゃうキラキラした奴らをディスりまくる作品で共演したことがあった。

そのときの最強さんの役は、女子トイレを覗くことにすべてをかけるクソみたいな先輩部員役だった。
あのクソっぶりは本物のうんこでさえくやしがるレベルのクソっぷりだった。
「きっと今回も僕らの頼れる先輩でいてくれるはず」、東迎はそう思った。

 

次は、最年少の奥村徹也

 

about_img_okumura

ゴジゲンに出演したときはまだ大学生だった彼だが、クロネコヤマトに就職したと聞いていた。

それからドロップアウトして自分の劇団を立ち上げたらしい。
奥村と東迎は何度か共演しているし、当時から才能あふれる後輩だった。
「きっと今作品も松居作品に欠かせない役どころを演じてくれるはず」、東迎はそう思った。

 

そして最後に、堀善雄(善雄善雄)

about_img_zenyu

という人も加わるというようなことは聞いてはいたが、東迎は面識もほぼなかったのでよくわからなかった。

聞くところによると、自分で劇団を主宰しているらしいのだが、『太陽に恋した童貞モグラ』、『僕の彼女はAVアイドル』など、いかがわしいタイトルの公演ばかり打ってるらしい。
「この人の分まで自分が頑張ろう」、東迎はそう思った。

 

気になるところはそれだけじゃなかった。
公演のタイトルなのだが、『ごきげんさマイポレンド』というらしい。

cached1608436946
・・・。
マイポレンド???
ポレンド???
しかもタイトルに棒線が引っ張ってある謎のビジュアル。
一体どんな作品になるんだろうか?

 

稽古初日。
3年ぶりに集まる面々。
稽古場というなつかしい空間に涙が出そうになる。
果たしてどんな稽古が始まるのかキャスト全員ドキドキしていると、
ついに松居が重い口を開いた。

「この活動休止の3年間、何をしていたか書いてきて」

え、僕らが書くの!?!?
稽古場にハテナマークの嵐が吹き荒れた!!!

 

つづく

 

【公演概要】
ゴジゲン『くれなずめ』

日程・会場:
10/19(木)~29(日) 東京・下北沢駅前劇場

11/4(土)・5(日) 京都・アートコミュニティスペースKAIKA
11/11(土)・12(日) 福岡・北九州芸術劇場 小劇場

作・演出:松居大悟
出演:奥村徹也 東迎昂史郎 松居大悟 目次立樹 本折最強さとし 善雄善雄