・連載―根本宗子 2015-06-20 12:00

<第6回> 根本、ローチケで演劇コラム書いてるってよ。

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根本です。
元気です。
5月の劇団公演が終わり、6月のねもしゅーせいこが終わり、今は「墓場、女子高生」の稽古中です。
若い女の子がたくさんいます。女子高生役をやる女の子がたくさんいます。
この「墓場、女子高生」というお芝居、福原充則さんという私の大好きな作家様がENBUゼミナールという私も通っていた演劇学校の卒業公演用に元々書き下ろした作品で。
これ、多分私が20歳くらいのときに観たんですけど、本当に素晴らしく面白い作品で。卒業公演のクオリティーではないし、とにかく素晴らしく素敵な台本だったんです。
福原さんの作品はもともと大好きで、高校時代にマンションマンションを観るほど(これは分からない人は調べてください。調べると物件ばかり出てきます。)ファンで。
観ていて、すごくあたたかい気持ちと冷たい部分となんかこう気持ちの落差が恐ろしく付くんです、私福原さんの芝居を観ると。ファンタジーもあり、リアルもあるし、でも包容力もあるし、けど手をさしのべてくれるほど甘やかしてもくれない。
台詞の言葉の順や組合せが恐ろしく緻密だからなんだと思います。


最近、「言葉」についてよく考えます、作家だからあたり前だろうと思われるかもしれませんが、すごく考えます。
誰かに対して、言葉を尽くし、何かを伝えようと足掻いた結果、「うん」とかいう返答しか来ない時、
「私にもっと言葉を尽くしてくれる人はいないのか」と思います。身勝手な話です。
私はこんなにあなたに対して言葉を尽くしたのにという大変身勝手な話です。でも「こんなにOOしたのに」とかって口にはしないけど、きっと誰の心にもあるもので、だからこそ人と人の言葉には愛が生まれるわけで。
「言葉」の持つ力の限界が知りたいのです、今私は。

―今の自分を作品にしていく―
これをしてきた私は客演(役者として他の舞台に立つこと)する際、どう今の私を浄化しながらその作品の一部になるかを考えます。
自分の作品と違って、本に自分の意見や今は入ってませんから。でも何も考えず、1役者としてセリフをしゃべる機械にはなりたくないし、それを1か月していたら死んでしまうので、そう考えて役者もやってます。
だから今回は言葉の持つ力を高校生というまっすぐでピュアな役のフィルターを通して、この夏、「墓場、女子高生」という戯曲とともに考えたいと思います。
これまでに感じたことのないほどに1つ1つのセリフが今自分にとって重たいのです。

「墓場、女子高生」本当に素敵な戯曲です。
是非、笑ったり、えぐられたり、泣いたり、あきれたりしに来てください。

あ、写真はねもしゅーせいこ「夏果て幸せの果て」でフライングのためのハーネスを付けに楽屋に戻ってきた時の私です。
ハーネスを隠すためにタオルを巻いてました。隠せてないですね。

根本宗子


Profile

根本宗子 ネモト・シュウコ

’09年に映画や演劇、俳優養成の専門学校「ENBUゼミナール」を卒業。

同年に劇団「月刊『根本宗子』」を旗揚げする。

これまで上演されたすべての舞台の作・演出を手がけるなど、

今、最も注目を集める作家のひとりとして活動を展開している。

 

-今後の活動-

【舞台】
ベット&メイキングス第4回公演「墓場、女子高生」
2015年7月17日~26日 東京芸術劇場シアターイースト

8月バー公演
月刊「根本宗子」バー公演

2015年8月12日~16日 バー夢(四谷三丁目)

10月本公演
月刊「根本宗子」第11号『今、出来る、精一杯。』

2015年10月23日~11月8日 中野 テアトルBONBON

【映画】
MOOSIC LAB 2015
せのしすたぁ×根本宗子
「ねもしすたぁ(仮)」 2015年夏公開

【その他】
テストするモノ批評誌「MONOQLO」
「根本宗子の小劇場から這い上がるコラム~岸田戯曲賞への道~」毎月連載中

雑誌「シアターガイド」
『わたしの今月』コーナー 毎月連載中

テレビ朝日「LoGiRL」生配信(毎週月曜日22時00分~22時45分)
番組MC 夢眠ねむ(でんぱ組.inc)、根本宗子

WEBドラマ「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」
全話脚本を担当中
http://gyao.yahoo.co.jp/special/jcwc/