・連載―デキメン列伝! 2015-05-29 20:47

デキメン列伝 第6回 海宝直人

“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!

【第6回】海宝直人 NAOTO KAIHO
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マリウスは最後の最後まで成長していく、とても魅力的な役


Writer’s view

7歳のとき、ティーカップの姿で愛らしく舞台に登場! ミュージカル生まれミュージカル育ちですくすくと、品のあるハンサムな青年に成長した彼は、「レ・ミゼラブル」のマリウスとなりました。姿は美しく、歌も演技も安定、かつフレッシュさを失わない海宝さんのマリウスに“堕ちた”レミゼファンも多いのでは。9月まで務め上げた後、秋には超話題作「アラジン」のアラジン役が控えています。これまでの20年の道のりと、自ら「ここが勝負」と語る今現在の思いをたっぷり聞きました。

取材・文/武田吏都

 

――7月4日のお誕生日に合わせてソロライブが行われますね。「20th Anniversary」とあるのを見て思わず二度見してしまったんですが(笑)。26歳にして芸歴20年!

海宝 小学校1年生のときの劇団四季「美女と野獣」が初舞台でした(ティーカップ姿のチップ役)。それまでキッズモデルの仕事はちょこちょこしていたんですけど、舞台に立つ、芝居をするのはそれが初めて。やはり3歳年上の姉(海宝あかね=劇団四季)の影響が大きいですね。姉が「アニー」に出ていたので舞台を観たり、ステージ裏に連れて行ってもらってお姉さんたちに遊んでもらったり(笑)。歌ったり踊ったりということが、すごく日常的でした。

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・連載―デキメン列伝! 2015-04-17 19:12

デキメン列伝 第5回 松田 凌

“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!

【第5回】松田 凌 RYO MATSUDA
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のらりくらりやっていても意味がない。
チャンスがあるなら飛びつきたい


Writer’s view

演技未経験のまま、2012年に人気シリーズ舞台の第一作で初舞台初主演を飾ったシンデレラ・ボーイ。他を“凌ぐ”ことを宿命づけられた(?)松田さんが驚異的なのは、その成長のスピードです。そして、作品ごとに異なる魅力を見せてくれること。演技力や持ち前の華に加え、近年の作品では艶っぽい色気や演劇人としての強靭さも発揮しています。底なしのポテンシャルを秘めた彼が、俳優としての勝負どころの舞台「Being at home with Claude~クロードと一緒に~」に挑みます。

取材・文/武田吏都

 

――まだ俳優デビューから3年ほどというのが信じられないくらい濃密なキャリアを重ねていますが、今年前半は特に濃いお仕事が続いていますよね。

松田 2月頭に「URASUJI2015 綱渡り」が終わって、1ヵ月後に「遠ざかるネバーランド」があり、そのまた1ヵ月後がこの「Being at home with Claude~クロードと一緒に~」で、その3週間後に「メサイア-翡翠ノ章-」があります。ほんと、濃いですよね(笑)。 続きを読む


・連載―デキメン列伝! 2015-04-01 10:37

デキメン列伝 第4回 鳥越裕貴

“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!

【第4回】鳥越裕貴 YUKI TORIGOE
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“鳴子コール”はまさに、「全部ワイの力になる!」でした


Writer’s view

鳥越さんを初めて観たのは、舞台『弱虫ペダル』の鳴子章吉役。関西弁の元気キャラとその真っ赤な髪型は、鮮烈な印象を残しました。6作目となる最新作が熱狂のうち、先週末で終幕。数少ない全作出演者でもある鳥越さんに、この超人気舞台の裏側や作品に賭ける想いを聞きました。そして3月31日に24歳のバースデーを迎えたばかり! 前途洋洋、芝居をするのも観るのも大好きでいつもパワフルな彼が抱いている、俳優としての今後のビジョンも気になるところです。

取材・文/武田吏都

 

――鳥越さんを舞台『弱虫ペダル』(以下「ペダル」)の1作目(2012年)で初めて観たとき、「この赤い髪の子、何者!?」というのが率直な感想だったのですが、その前から舞台に多く立っていらっしゃるんですよね。勉強不足で失礼しました……。

鳥越 いえいえ(笑)。その2年前ぐらいからいろんな舞台に出させてもらっていました。1作目の「ペダル」に出演したときは経験も浅かったので、僕もみんなに「『誰や』って思われてんやろな……」と思いながら(笑)。この作品は本当に僕のターニングポイントになりました。 続きを読む


・連載―デキメン列伝! 2015-02-25 20:00

デキメン列伝 第3回 陳内 将

“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!

【第3回】 陳内 将  SHO JINNAI
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プレッシャーはあまり感じない人間です。
感じてる方が失礼だから


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“悪の華”とでも呼びたい、この人のダークな雰囲気がずっと気になっていました。カワイイ系や健全なヒーロー型が隆盛(と思える)の昨今の若手男優シーンでは得がたい個性を放つ陳内将さん。「あの憂いある表情の奥には何が?」と興味津々で臨んだ初取材でしたが、素顔の彼は、実はかわいらしい目を細めてよく笑う、知的で芝居好きの熱い青年! 自身の魅力にまるで無自覚だった彼が“俳優”という仕事に目覚めるまで、そしてその後のヒストリーをたっぷり聞きました。

取材・文/武田吏都

 

――2月8日まで舞台「悪」に出演されていて、2週間ほどで次の舞台「パスファインダー」に立ちます(大阪公演終了。3月から東京公演)。ヒトのクローン誕生をきっかけに人間の善悪をあぶり出した「悪」と、キャラメルボックス本公演であるハートフルなSF「パスファインダー」では作品のテイストがガラッと違いますね。2作品の稽古・本番を並行して行っていたそうですが、どんな経験でしたか?

陳内 自分の中でゴチャゴチャするかなと思っていたんですけど、テイストも周りの人たちも違うから、視覚とか聴覚とかそういうところから勝手に切り替われていたなと。トータルで1作品と考えるというか、「悪」が一幕で「パスファインダー」の稽古が二幕みたいな。そういう思考回路じゃないと、逆に切り替えるってなるとゴチャゴチャしちゃっただろうなと思います。

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・連載―デキメン列伝! 2015-01-29 13:28

デキメン列伝 第2回 上口耕平

“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!

【第2回】 上口耕平  KOHEI UEGUCHI
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“展開”を楽しんで、ポジティブな方向に持っていくのは得意です


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弾けるような表情でキレッキレに、心から楽しそうに踊るこの人がいると、大人数の群舞のシーンでも目を奪われずにいられません。2人目のデキメンとしてご登場いただいたのは“視線泥棒”上口耕平さん。ミュージカルファンには元気な若手としておなじみですが、昨年末の「聖☆明治座 るの祭典」への出演で、若手男優ファンにも“デキるお兄さん”として認識されたはず。エンターティナーとしてのこれまでの道のりと、知りたかったその笑顔と元気の秘密もたっぷり伺いました。

取材・文/武田吏都

 

――最近の出演作は昨年末の「聖☆明治座 るの祭典」(’14)。る・ひまわり製作のこのシリーズには初参加でしたが、出演してみていかがでしたか?

上口 史実とはまた異なる明智光秀役だったんですが、いつもはポジティブな楽しい役を演じさせていただくことが多いので、悪役と言いますか、ああいう捻じ曲がった性格の人間を演じるのは初めてですごく新鮮でした。正直悪くないな、やってて気持ちはいいなと思いました(笑)。役者としてひとつのイメージだけでなく、振れ幅大きく生きていきたいと思っているので、ある意味待っていたというか、そういう機会が与えられてありがたかったです。
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・連載―デキメン列伝! 2014-12-22 11:00

デキメン列伝 第1回 上山竜治

“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!

【第1回】 上山竜治  RYUJI KAMIYAMA
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この道を与えていただいたんだなという、そんな感覚なんです


Writer’s view

第一回目で早くも、真打ち的なデキメンの登場です。来春開幕のミュージカル「レ・ミゼラブル」の革命に燃えるリーダー、アンジョルラス役(トリプルキャスト)に決まった上山竜治さん。初めて帝国劇場の舞台を踏む彼ですが、14歳でアイドルとしてデビュー、17歳の初舞台で芝居に出会います。「レミゼ」製作発表では、70人以上のキャストの中心に立ち、「民衆の歌」などの歌唱を披露。その姿からも感じられた俳優としての華、センターたる存在感――それを培った裏には挫折と、少年時代からの秘めた思いがあったのです。   

取材・文/武田吏都

 

――「レ・ミゼラブル」のアンジョルラス役は、上山さんのみ製作発表の場での発表というサプライズももちろんですが、上山さんがああした大型ミュージカルのオーディションを受けていたことにも驚きがありました。会見でも「(自分がこういう作品に出るのは)おこがましいと思っていた」と発言していましたが、ご本人が本格的な目標として定めているように私は感じていなかったので。もっと言うと、ストレートプレイ志向が強い方なのかなと思っていたのです。

上山 真正面からミュージカル志向ではないというか、そういうところは確かにあります。俗に言う、ミュージカルのいきなり歌いだす感にちょっと恥ずかしさや違和感みたいなものはありながら、それをどうやったらなくせるんだろうってことはずっと考えていました。英語だったら抑揚があって発声法も違うし、日常的に歌っているような、歌と台詞の境がない感覚で観られると思うんです。でも日本語は口を開かなくてもしゃべれるような平坦な発音で、そうして台詞をしゃべっている中で、どうやって歌につなげられるのかなあと。これまたおこがましいんですけど、日本のミュージカルって基本的にちょっとハンデのあるところから始まっているのかなとも思っていました。なので、ロンドンやブロードウェイとかラスベガスにも観に行って、違和感がある・ないの差はどこだろう?って考えたりして。だから好きなんでしょうね、ミュージカルが。好きだからこそ、じっくり突き詰めて考えなきゃと思ったんですよね。

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