・インタビューしちゃいました!! ・取材してきました! 2016-05-20 18:21

*ASTERISK「Goodbye,Snow White」新釈・白雪姫 主演・演出・振付の牧 宗孝(MIKEY from 東京ゲゲゲイ)単独レポート!!

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 日本のトップダンサーたちが一堂に会し、ひとつの物語を紡ぐ舞台『*ASTERISK』。今回は 主演・演出・振付を手掛ける牧 宗孝(MIKEY) さん単独インタビューの様子をご紹介!今回の作品にかけるMIKEYさんの深い想いをお聞きしました!

 

――今回一番伝えたいことはなんですか?

MIKEY 原作の中村うさぎさんの中にもあって、もしかしたら私とは違うかもしれないんですが、私的には、どんな選択をしても「これでよかったんだ」と最終的に思えたらいいなという希望、ですかね。好きなことを諦めて、結婚して家庭を持ってお母さんになる女性の人生と、結婚をせずに自分の好きなことを追求して没頭して生きる人生とあると思います。それぞれの女性の「私の選択してきた人生ってこれで良かったのかしら」「もしあの時異なる選択をしていれば、今の自分は、もうちょっと充実していたんじゃないか」という不安が、この舞台を観たことによって「あ、そうとしか生きられなかったんだ。これでよかったんだ。」と、フッて思えたらいいなという感じですね。

 

――大女優の魔女に相反する存在として描かれる新人アイドルの白雪姫。この白雪姫について魔女はどのように思っているのでしょうか。

MIKEY *ASTERISKの白雪姫は「男色(おとこいろ)に染まれる女の子」という設定。「心が真っ白で、好きな人の色に染まれる私!」みたいな女って男の人好きじゃないですか(笑)。一方で、魔女はそれが絶対できないんです。愛されたいけど、男に合わせて自分のポリシーを曲げてまで、男に愛されることはできないジレンマがある。魔女側にも白雪姫のようなお姫様願望はあるけど、それを常に殺して、魔女としての人生を生きることが魔女の生き方。でもこういった魔女的な自分を少し抑えて、男の人に寄り添えたら、それはそれで幸せなのではないか…と思うときが、きっとこの主人公の魔女にもあるんですよね。タイトルにもそういった要素が含まれていて、「Good bye snow white」の「snow white」を言い換えたら「お姫様」。「さよならお姫様」というのは、白雪姫に対してではなく、自分の心の中にいる「お姫様」性。こういうものを殺して、私は魔女として生きる!という意味なんです。

 

――おそらくどんな女性でも共感できる部分があるこの舞台。どういった方に観ていただきたいですか?

MIKEY そうですね、女性にはもちろん観ていただきたいです。あとは昨今の政治家の同性愛や性についての差別的発言がニュースになっていたりしますよね。「子どもを生まない人間は異常だ」みたいなことがありましたけれども。今回の物語は、家庭などを犠牲にして突き進んでいるお話です。だからこそ、そういうことを発言する、しないまでも思っている男性にも観てほしいという気持ちはあります。

 

――女性の声を男性にアピールする要素もあるということですね。

MIKEY うさぎさんの解釈では、「魔女は白雪姫だけに怒っていたのではなく、白雪姫のような女性に魅力を感じる男に対しても怒っていたのではないだろうか」という観点もあり、そういう男たちへの復讐の意味を込めて、魔女は毒りんごを作ったのではと。これはもしかすると、フェミニストの要素もあるのかもしれませんね。

 

――王子様は今回の作品ではどのような感じになるのでしょうか?

MIKEY この作品で描かれている王子様はものすごく調子の良い王子様。魔女に媚を売るけれど、本当は白雪姫のことが好きなんです。でも魔女は大女優の設定なので、敵に回せない。どちらにも良い顔をする最低な人間なんです(笑)

 

――どんな最低な王子様なのか楽しみです(笑)そんな王子様を含め、今回のキャストはどういった観点で選ばれたのでしょうか?

MIKEY *ASTERISKというコンセプト自体が、ダンサーたちが物語を軸に進めていく舞台なので、ダンスだけではなく、物語やお芝居などの舞台に対しての興味や理解、経験がある人を選んでいる面もあると思います。でもそれだけではなく、舞台に立ってもらえたら、すごく輝きそうだなという若い子とかも今回出ているので、ベテランから、舞台に出たことのないような子まで幅広いダンサーが出演しています。

 

――そういったキャストと創り上げるプロジェクト、「*ASTERISK」には「掛け算」という意味合いもあります。今回はどのような掛け算になるのでしょうか。

MIKEY *ASTERISKは「普段であったら共演しえないキャストで成り立つ舞台。」ダンサー同士だけではなく、ジャンル同士の融合感や、ダンサーがお芝居や歌を披露したり、といったダンスと歌・お芝居の融合など、どこかひとつに固執するのではなく、全てのパフォーマンスの種類が融合しているという意味でも、*ASTERISKというプロジェクトに私がそもそも凄く興味があって。「ダンサーはこれをしない」「ダンサーはお芝居をしない」といったダンスと何かを隔てている境界線をなくす作業、それに私は一番魅力を感じています。

 

――最後にメッセージをお願いします。

MIKEY ダンスを知っている人にしか分からない舞台にはまったくなっていなくて、そこは全然関係無く観ることができるようになっています。「ダンスはよくわからないし…」という人にこそ観てほしいですね。“ダンス公演”ということではなく、“一つの舞台作品”を創るので、是非いろんな人に観に来ていただきたいです。

 

取材・文/ローチケ演劇部(か)

 

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【公演情報】

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*ASTERISK「Goodbye,Snow White」新釈・白雪姫

<あらすじ>
世間から美魔女と呼ばれる大スター・加々美魔耶(牧宗孝)は、ある日、鏡の精から不吉な予言をされる。 「あなたはもうすぐ天敵と出会うわ」…… スターであることに身を捧げた加々美の前に現れたのは、正反対の新人アイドル・白河雪菜(YUYU)。そしてついに魔女の怒りが爆発する!美魔女が真の価値を問い続けながら壮絶な闘いを挑む。現代の白雪姫。

日程:2016/5/27[金]~29[日]
会場:東京国際フォーラム ホールC

★詳しい情報は下記ボタンにて!