デキメン列伝【第16回(終)】小野田龍之介
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男 優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!最終回を飾るのは小野田龍之介さんです!
大人に負けたくない、
子供扱いされたくないという気持ちが強い子供でした
Writer’s view
まだ年半ばにして、2017年のマイベスト1は不動であろう舞台を観てしまいました。そのミュージカル『パレード』において、若者代表といえるポジションで抜群の存在感を発揮しているのが小野田龍之介さんです。「25歳になりました」という昨年のツイッターでのつぶやきを目にしたとき、「え、じゃあ20代前半だったの!?」と驚いたものでしたが(笑)、テクニックやその雰囲気は若手の域を超え、どの舞台でも頼れる存在。そんな彼の“いろんな顔”を紐解いてきました。
取材・文/武田吏都
デキメン列伝【第15回】太田基裕
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
淡白に思われがちなんですけど、そうではないつもりです(笑)
Writer’s view
“もっくん”の愛称でおなじみの太田基裕さん。たくさんの若手俳優たちと取材を通じて対話させていただく中で、彼が醸し出す空気感がとても気になっていました。異空間を難なく生み出せる、時に近寄り難いほどのルックスを持ちながら、一言でいうと“癒し”とも表現できそうな、ほわっとした雰囲気。激しい競争社会を生き抜く若手俳優たちの中で、そうした印象を残す人は案外いません。彼を語るためのキーワードは“ニュートラル”。30歳になったばかりのもっくんを、深堀りしてきました。
取材・文/武田吏都
デキメン列伝【第14回】鈴木勝吾
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
「サボるな」「もっと!」ということを叩き直されました
Writer’s view
生で目撃する舞台では、「この俳優さん、いま波にノッてるな」という“快進撃”を体感する機会がままあります。現在27歳の鈴木勝吾さんは、まさにその真っ只中にいる人ではないでしょうか。特に2014年の初主演舞台ぐらいからの活躍が目覚しいのですが、さかのぼってそれ以前の映像作品などを見ると、雰囲気も顔つきも大きく違うことに驚かされます。俳優としてだけでなく、人間・鈴木勝吾としても何か転機が? 本番中の多忙な中にお時間をいただき、その真相を探ってきました。
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デキメン列伝【第13回】安西慎太郎
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
誰かの人生に影響を与えるような
演技ができる役者になりたい
Writer’s view
上手いなと思う俳優ほど謙虚という法則がある気がします。ただそれは、その人がもともと特別に謙虚なわけではなく、環境がそうさせる面もあるのだと気づきました。自分より優れた人たちに囲まれていれば当然そうなるし、常に上を見ているから、目標値もおのずと高くなる。だから若い俳優こそ栄養価の高い超一流の現場を経験するのが望ましいけれど、チャンスをつかむのはなかなか難しいこと。「アルカディア」でその最高の機会を得たのが、22歳の安西慎太郎さんです。
取材・文/武田吏都
デキメン列伝【第12回】相葉裕樹
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
この世界は短距離走じゃない。
最終的に勝つには実力をつけるしかない。
Writer’s view
相葉さんは半年間のフリーランスの時期を経て、今年から新しい事務所に所属。事務所という存在はあまり表立つことはないけれど、俳優という仕事を続ける上で、非常に大きな意味を持つことは確かです。周囲や自己の分析能力に長けている(と私は思っている)相葉さんが、この先のパートナーとして選んだのは、舞台に強いイメージのある事務所。この選択から垣間見えるものを相葉さん本人から聞きたくてインタビューにうかがうと、想像以上に先の未来が見えました。
取材・文/武田吏都
デキメン列伝【第11回】池岡亮介
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
自分を良く見せることを頑張らないようにした途端、
楽になりました
Writer’s view
インタビューに同席してくださったマネージャーさんの「噛めば噛むほどじわじわと面白い、スルメみたいな子」という言葉が、池岡さんを表すのにとても的確な表現である気がします。まだ22歳(歴代最年少デキメン!)ですが、演技力もその持ち味も地に足がついていて、多彩な役を観つづけるにつれ、その旨みを増すのです。今秋の「夕陽伝」で演じた初の悪役・毘流古(ひるこ)役では、とびきりスパイシーな新味を味わわせてくれ、多くの観客を驚かせました。豊富なポテンシャルで次に何が出てくるかわからない、追いかけがいのある若手デキメンです!
取材・文/武田吏都
――池岡さんは1993年生まれの現在22歳。想像よりも低くシブい声をしていたり、お会いすると、実年齢より大人っぽい印象がありますね。
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デキメン列伝【第10回】 内藤大希
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
「俺ってなんだろう?」って日々もがきながらも、
変わりたい自分がどこかにいます
Writer’s view
“実力”をものさしにセレクトしている当企画では、若くてもキャリアのある人たちの登場が多かったのですが、今回の内藤大希さんも子役出身。技術を得るために必死に努力を重ねる時期をある程度越えたといえる彼らには、そこから先の悩みが生じるようで、このインタビューも途中からカウンセリングにシフト!? 舞台上の輝きのベースにあるもの――ネガティブな部分も正直に語ってくれました。出演中の『パッション』での、あの“ミュージカル・プリンス”との出会いも興味深いです。
取材・文/武田吏都
――内藤さんはアルゴミュージカルで、11歳のときに初舞台。ミュージカルやショー的な舞台での印象が強いのですが、ご本人もやはりそういう志向ですか?
内藤 わからないんですよ。
デキメン列伝【第9回】 宮下雄也
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
自分自身があまり好きじゃないけど、
役を演じて舞台に立っている自分はすごく好き
Writer’s view
若手俳優ファンの間でも一目置くような存在として、この人の名は知れ渡っているかもしれません。宮下雄也さんは、若手俳優界随一の怪優、性格俳優と言っていいポジションを築いています。ボサボサ頭を掻き乱し、イッちゃったような目で暴れまくる、そんな役を演じたりもしますが、実はものすっごくキラキラと澄んだ瞳が気になる……と思っていたら、なんと15歳でデビューしたアイドル出身。アイドルから性格俳優へと、極端な転身を遂げたその謎。解明せずにはいられません!
取材・文/武田吏都
――当企画に出ていただきたいとずっと思っていたんですけど、取材させていただいたことがなかったので、こういった場ではどんな方なんだろう?と。ロングインタビューに真面目に答えてくれるんだろうかと、ちょっと不安でもあったんですよ。
宮下 ちゃんとしゃべりますよ、もちろん!(笑)
デキメン列伝【第8回】 平野良
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
実は人見知りで不器用な、マニュアル人間です
Writer’s view
平野さんを初めて見たのは舞台ではなく、「戦国鍋TV」。今の若手男優シーンを語るに欠かせないこの伝説的バラエティ番組における彼は、私にはやや異質に映りました。歌も芝居も、周りの俳優たちとのやり取りもどこか手慣れた感じ。キュート系のルックスとその持ち味とのアンバランスがまた、「気になる!」に拍車をかけました。それから何度か取材もしたけれど、やはりどこかつかみどころがない。ならばということで、平野良の内面を丸裸にする(?)ロングインタビューを敢行です!
取材・文/武田吏都
――平野さんは中学生のときに芸能活動を開始。途中4年間ほどブランクがあって、成人したのち再び芸能界に、という経歴だとか。まず最初に芸能界入りしたきっかけは?
平野 物心ついたときから世に出るようなことを何かやりたくて、「歌手になる!」とか「お笑い芸人になる!」とかずっと言ってたんです。それにテレビっ子だったんですけど、僕が子供のときって学園モノのドラマがめっちゃ多かったんですよ。それこそ今出ている舞台「SONG WRITERS」を演出している(岸谷)五朗さん主演の「みにくいアヒルの子」とか、「それが答えだ!」とか「聖者の行進」とか。「年の近い人がこんな仕事していいなぁ」っていうのがきっかけで、新聞の広告を見て、自分で劇団東俳に応募しました。「3年B組金八先生」(第5シリーズ)に出たとき、その劇団の広告に自分の写真が載ったことがものすごくうれしかったですね。
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デキメン列伝 第7回 大山真志
“デキる”のみをものさしに、今後の舞台界を担っていくであろう、注目株の若手俳優をピックアップ。彼らが「デキメン(=デキる男優)」である理由、そして、隠れた本音をロング・インタビューで探る!
人を楽しませる“エンターテイナー”であるときが一番楽しい
Writer’s view
数多居る若手男優の中でも、大山さんの持ち味はユニークだなと常々感じていました。大きくたくましい体に、深く響く歌声。ついつい三枚目のキャラクターを担ってしまうところがありながら、ファンをキュンとさせる男性的魅力もちゃんと持ち合わせている。はたまた筆者周辺では「息子にしたい!」なんて声が聞かれたり、アピール力が多様で幅広いのです。あらゆるものをドーンと受け止め“みんなの大山真志”たる彼の大きさはどこから来るのか。その答えと、25歳という狭間の年齢にいる今の心境を知りたくて稽古場を訪ねました。 取材・文/武田吏都
――大山さんは子役出身で、歌、ダンス、芝居を長く続けてきていますが、この三要素でいうと、スタートは何から?
大山 僕は完全に歌ですね。それこそセリフを覚えるという作業をして芝居をするようになるなんて、子供の頃は全然思ってなかったです。小学4年生ぐらいから音楽カレッジみたいなところに通い始めて。きっかけはただただマイケル・ジャクソンになりたかった、みたいな(笑)。だから踊ることもカッコいいなと思っていましたけど、最初はただ人前で歌いたいという気持ちだけで、歌っていることが幸せでした。でもアルゴ・ミュージカルのオーディションを受けたとき、自分のダンスのできなさ加減に落ち込んで(笑)、母親に「ダンスを習いに行かせてくれ」って頼んで。それから、ジャズやタップやバレエやいろんなコースがあるダンススタジオに、毎日何コマも取りながら通いました。その中に演技の稽古ができるところがあったので、芝居はそこでやっと習った感じですね。で、小学5年生のときが初舞台です。