劇団プレステージ『Have a good time？』猪塚健太＆大村 学 インタビュー
劇団史上最大規模！
人気作の再演で2大都市を巡る
アミューズの若手俳優たちが所属し、配役は劇団内オーディションで決定、公演で赤字が出れば解散……など、シビアな独自ルールを設けている劇団プレステージ。2012年の上演作品の再演となる「Have a good time？」では、これまでのCBGKシブゲキ!!を飛び出し、劇場のキャパを大幅にスケールアップ。さらに初の東京・大阪ツアーも予定しており、まさにこれが劇団の運命を懸けた一作となる。劇団旗揚げ当時から在籍し、初演でも活躍した猪塚健太、大村 学に意気込みを聞いた。
大村「お客さんの動員数で言うと、前作のほぼ倍近いんですよ。ホント、どうかしてますよね（笑）。でも、今回はこれまでよりステップアップしたくて、そのくらいのことをしなきゃ！って気持ちが僕らのなかにもあって。初演は小劇場の千本桜ホールでやらせてもらったんですが、この作品を終えてシブゲキに会場を移したんですね。そういう意味では僕らにとってターニングポイントになる作品で、その意味も込みで“運命の作品”って言ってます」
猪塚「歌やダンスの比重が大きかったり、エンタメ性の高い作品でもあるんですよ。初演の小劇場では物理的にできなかったような演出なども今なら実現できるということもあって、今回この作品を再演しようと」
今作の主人公は、売れない5人組アイドルグループ「東京オードル」。メンバー全員30歳を越えて方向性を見失った彼らは6度も改名→再デビューを繰り返していた。そんなある日、事務所社長兼マネージャー柴田のセリフに乗せられた5人は、７度目の“最後の賭け”に出ることに……。
大村「初演で東京オードルを演じたのが、劇団がまだ全然売れてない時期からずっと一緒にやってきたメンバーだったんですよ。だから稽古でセリフ言ってるだけなのに、“俺ら売れるためにどうしたらいいんだろう？”って悩んでたこととか思い出して、勝手に涙が出てきたこともあって……お芝居なんですけど、すごくリアルな自分たちが出てくるような感覚があったんです」
以前に再演された「ブラックパールが世界を動かす」では1人を除いて初演時とキャストが総入れ替えに。なので今回のラインナップがどうなるのかは予想がつかないものの、初演時とはまた違ったものを見せられると、二人は太鼓判を押す。
猪塚「今回は初演と演出家さんが替わるので、もしかしたらニュアンスも変わってくるかもしれないですね。自分がどの役を演じることになるのかもまだ分からないですけど、初演のころとは芝居に関する感覚だったりが自分のなかでもすごく変わってきていて。僕ら全体で言うと『ハンサムLIVE』なんかも経験したので、芝居だけじゃなく歌やダンスを含めてよりレベルアップしたものをお見せできるんじゃないかと思っています」
キャパ100名の小劇場から出発して徐々にリピーターを増やしてきた彼ら。ファンの反応なども交えつつ、そのステージの魅力を自己分析してもらった。
大村「箱推しって言うのかな？ プレステージ全体がやってることを面白いって言ってくださる方が多いんですよ。作品自体はもちろん、このメンバーだからこそ起こせるグルーヴ感みたいなものを期待して観に来てくれる方も多いのかなって」
猪塚「ファンレターなんかを読むと、学校や仕事のことで悩んでいても、僕らの公演を観れば楽しくなるし元気をもらえるって言ってくれる方が多くて。だからこの作品でも、何か考えさせられたりする部分ももちろんありつつ、観てスッキリした気分で帰ってもらえるようなものにしたいというのがありますね」
ストーリー中では悩める三十路アイドルたちに加え、彼らを取り巻く家族やファンといった周囲の人間模様も描かれる。プレステージの面々だけでなく、彼らを観に劇場に足を運ぶ人にとっても、どこか気持ちがリンクするリアルさを持つ「Have a～」。すべての夢に向かって頑張る人と、それを応援する人に観てもらいたい作品だ。
インタビュー・文／古知屋ジュン
Photo／倉田貴志
構成／月刊ローソンチケット編集部
衣裳協力／O.C CREW
【プロフィール】
猪塚健太
■イヅカ ケンタ ’86年、愛知県出身。ドラマ「同窓生」（ＴＢＳ系）、「深夜食堂」（ＭＢＳ系）など映像作品のほか、地球ゴージャス「クザリアーナの翼」「里見八犬伝」など外部公演でも活躍。
大村 学
■オオムラ マナブ（左） ’85年、京都府出身。劇団プレステージの前身ユニット時代からのメンバーで、ドラマ「医師たちの恋愛事情」（フジテレビ系）などに出演。10月28日［水］より舞台「祝女〜ｓｈｕｋｕｊｏ〜」ｓｅａｓｏｎ２に出演。
【公演情報】
劇団プレステージ『Have a good time？』
公演日程・会場：
2015/8/8[土]～9[日] 大阪・森ノ宮ピロティホール
2015/8/12[水]～23[日] 東京・紀伊國屋サザンシアター
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