・インタビューしちゃいました!! 2015-06-18 14:30

M&Oplaysプロデュース『虹とマーブル』倉持裕&小出恵介&黒島結菜 インタビュー

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あらゆる『高嶺の花』に手を伸ばした男の半生を
ダイナミックに描く、倉持裕の最新作!

 

 1960年代の戦後から高度経済成長期の狂乱に至るまでの日本が舞台。
社会の底辺から成り上がっていく男を中心に、激動の時代を生きた人間たちのドラマチックな人生をスピーディーな展開で描く倉持裕の最新作『虹とマーブル』。
M&Oplaysと倉持裕のコラボ公演で、倉持は新たな挑戦となるスケールの大きな題材を描く。

 

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倉持「僕があまりやってきていない、時間のスパンが長い物語になります。今回は大きな話を描きたくて。60年代から80年代は「我に返ったらお終い」みたいな、どこかギラギラしている感じがしたんですよ。誰もが素直に欲しいものに手を伸ばし、変化していった時代。その変遷を描いていきたいと思いました。時代だけではなく、人の変遷も。それが大きく描けるんじゃないかと。現代よりもエンターテイメントにしやすい時代だと思います」

 

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 2013年『MIWA』以来の舞台出演となる小出恵介が演じるのは、東京大空襲で焼け出されながらも、戦後復興期に乗じてのし上がっていく男・鯨井紋次(くじらい もんじ)。

小出「倉持さんの舞台に出てみたいという気持ちは勿論ありました。倉持さんの作品は、明るい気持ちで終えられる時と、もやっとした気持ちで終える時と、作品によって全く違う印象があります。どういう感じになるのかは稽古が始まってみないと分からないですけど、遊んで頂けたら」

倉持「小出さんはワイルドな感じと知的な部分の両方を持っている気がして。あまりキレイ事では無い、汚いことをやっていてもチャーミングになるんじゃないかなと。この年代の話なら思い切りやれるんじゃないかと思うので、欲望をむき出しにして、泥臭い感じを演じて欲しいと思っています」

小出「舞台上で長い年月を経ていくということはまだ想像がつかないですが、東京公演の劇場は世田谷パブリックシアターですし、スケール感も出やすいのかなと思っています。昭和の時代は演じた経験があって、イメージや雰囲気は持っているので、それを舞台で表現するのが楽しみです。昭和の人間は、自分が生きる意味や社会に対しての距離感を常に考えて生きているという印象があります。自分が成すということに対して照れもないし、素直に動いていたイメージがあるので、そういうところを表現出来たらいいですね」

 

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 相手役のヒロイン・芹沢 蘭(せりざわ らん)を演じる黒島結菜は、今作が舞台初出演となる。

黒島「舞台を観に行くことがあまり多くなかったのですが、最近は興味が出てきて行くようにしています。倉持さんの作品は本多劇場で「鎌塚氏シリーズ」を観させて頂いていて。面白くてずっと笑っていました。舞台は生の迫力が魅力だなと思っていたのですが、本当に今までは観ている側だったので、自分が舞台に立つ側になってお芝居するというイメージがまだ全然出来ないです」

倉持「黒島さんの役は、小出さんの手で人気女優になっていく女性です。小出さんの役としては、自分の力を誇示するために銀幕のスターを作っていく。黒島さんの役はそこまでのつもりはなかったんだけど、その地位に付いたら段々とそうなってきてしまう。その手の上で転がされるというポジションが逆転していったら面白いと思っています」

黒島「私自身、今は欲があまりないので、今の話を聞いてこの作品をキッカケに自分の欲が出せるようになれたらいいなと思いました(笑)。歴史が苦手なので詳しくはないのですが、昭和は大きな変化があった時代、流れを変えたいと強くみんなが思っていた時代という印象です。初めてのことばかりで何も分からないのですが、皆さんに色々教えていただきながら、頑張っていい作品が作れたらいいなと思います」

 

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 『虹とマーブル』というタイトルについて、倉持は「マーブルは大理石です。虹とマーブルをそれぞれどのタイミングでどう見るか、がこの芝居のテーマでもあって......見終わった後に、このタイトルだからこのラストなんだなということが見えればいいなと思います」と語る。

倉持「作品で描く時代は、みんな自分が自分がと前に出る気でいる一方で、“三種の神器”などの同じものを追いかけている。今の時代は趣味の多様化で色々な方向を向いているように思えるけれど、出る杭にはなりたくない、あまり個人として出たくないという空気がある気がするんですね。どちらが正解か分からないけど、その風潮を対照的なものとして描くと見えてくるものがあるんじゃないかなと思っています。今からするとファンタジーにも見えるようなギラギラしたエネルギッシュな世界になると思いますが、その時代遅れを楽しんで欲しいです」

 

 もっとも変化の激しかった時代の日本を駆け抜けた男と女の半生を通して、時に悪にまみれながらも生きてゆこうとする人間の根本的な「生き抜く力」を描く、力強い“人間賛歌”。
倉持の新境地は勿論、小出、黒島を始めとする魅力的な俳優陣が見せる“昭和の生き様”に注目したい。

 

ヘアメイク:千葉友子  スタイリスト:兼子潤子

 

 

【プロフィール】

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小出恵介
■こいで けいすけ ’84年、東京都出身。2005年映画『パッチギ!』でデビュー。その後ドラマ、映画と様々な作品に出演。2009年映画『風が強く吹いている』で映画初主演。主な出演作はドラマ『-JIN-仁』『連続テレビ小説「梅ちゃん先生」』『Nのために』、舞台『あゝ、荒野』『騒音歌舞伎「ボクの四谷怪談」』など。

 

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黒島結菜
■くろしま ゆいな ’97年、沖縄県出身。ドラマ『アオイホノオ』、『ごめんね青春!』で注目を集め、『連続テレビ小説「マッサン」』などにも出演。2015年は映画出演も続き、『ストロボ・エッジ』『あしたになれば。』『呪怨 –ザ・ファイナル-』『ストレイヤーズ・クロニクル』『at Home』に出演。CMにも多数出演中。現在、NHK大河ドラマ『花燃ゆ』に出演中。本作が舞台初出演となる。

 

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■作・演出:倉持裕
くらもち ゆたか ’72年、神奈川県出身。2000年に劇団「ペンギンプルペイルズパイルズ」を旗揚げ。主宰、脚本、演出を務めている。『ワンマン・ショー』にて第48回岸田國士戯曲賞を受賞。劇団以外でも『わたしを離さないで』、M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、振り下ろす』など脚本や演出担当多数。『都市伝説の女2』『信長のシェフ』『弱くても勝てます』などテレビドラマの脚本も担当している他、『LIFE!~人生に捧げるコント~』ではコント執筆も行っている。

 

【公演情報】
M&Oplaysプロデュース『虹とマーブル』
日程・会場:
2015/8/22[土]~9/6[日] 東京・世田谷パブリックシアター
2015/9/8[火] 島根・島根県民会館大ホール
2015/9/10[木] 広島・JMSアステールプラザ大ホール
2015/9/12[土] 福岡・そぴあしんぐう大ホール
2015/9/17[木] 仙台・仙台電力ホール
2015/9/20[日] 大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2015/9/22[火]~23[水] 愛知・刈谷市総合文化センター 大ホール
2015/9/25[金] 浜松・アクトシティ浜松 大ホール

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