・インタビューしちゃいました!! 2016-11-15 00:00

舞台「剣豪将軍義輝~戦国に輝く清爽の星~」前編
山本匠馬&石井智也&寿里&井深克彦インタビュー

yoshiteru
若き武将の「リアル」に迫る
戦国版青春グラフィティ

 

 教科書には載らないような歴史上の出来事をエンタテインメントとして表現し、好評を博している「もっと歴史を深く知りたくなるシリーズ」。第三弾では、剣の道を志すも若くして命を落とした足利義輝の知られざる生涯を描いていく。主人公・義輝役の染谷俊之を力強くバックアップする山本匠馬、石井智也、寿里、井深克彦はそれぞれ、シリーズの過去作品にも出演しているが…。

寿里 エンタテインメントでありつつちゃんと史実を元にしているのが、このシリーズの面白いところ。歴代の足利将軍って当時の有力武将たちに上手く利用されてきたイメージがあるんですけど、この原作の小説を読むと見方が全く変わってくるんですよね。義輝という人物を好きになってしまうというか。

山本 織田信長や徳川家康だとか、いわゆるメジャーとされる武将たちを主人公にしてないっていうのも、着眼点として面白いし興味を持ってもらえるポイントなのかなって思います。切り口が教科書っぽくないから、歴史が苦手な方でもなじみやすいんじゃないかと。

井深 このシリーズは、毎回稽古に入る前に僕たちキャストが作品のゆかりの地に勉強をしにいったり、お客様を呼んで勉強会のようなイベントをしたりとか、作品の背景を学んだ上で取り組めるんですよね。ゆかりの土地の空気に触れることで、僕らもお芝居を作る上での情景が浮かびやすいし、すごく参考になってます。

 

 応仁の乱ののち権威が失墜した足利家を立て直すべく、強い男になろうと剣の道を志す義輝。修行の旅に出た彼がどのような人々と出会い、どのように剣士としての自分を研ぎ澄ませていったのか――。染谷はそんな義輝を演じるにあたり、もっか原作を読み込むなど奮闘中とのこと。最近ではこのシリーズの派生企画である「歴タメLive」などでも染谷と共演している4人に、座長としての彼について聞いてみた。

井深 染谷くんとは付き合いも長いんですけど、あのマジメな人柄を見ていると、安心して座長を任せられるなと思うんですよ。あまり他のキャストに弱さを見せないところがあるから、彼が大変なときには僕たちキャストも支えていけたらって。

寿里 過去二作の座長は2人とも血反吐を吐くような感じで頑張ってきていて、染ちゃんもそれを見ているんですよね。だから元々しっかりしているけど、最近は覚悟みたいなものが演技や表情からも感じられるようになったかな。原作の小説もよく読んでるみたいで、重要なページを折ってったら、もう全部のページが折れてるみたいになってて(笑)。

石井 剣豪将軍ならぬ文豪将軍?(笑)

 

 そして29歳で短い生涯を閉じた義輝を演じる染谷を筆頭に、物語の登場人物と演じる役者たちはほぼ同世代。よりリアルな感覚をともなって観られるというのが、天正遣欧少年使節たちの〝その後〟を描いた「マルガリータ」、狂気の武将・宇喜田秀家の生涯にスポットを当てた「幻の城」のシリーズ前二作とは大きく違うポイントだ。それぞれの役どころも、ビジュアルを含め原作小説で描かれた設定がハマるかどうか熟慮されたという。

井深 僕は義輝の弟で僧侶の覚慶を演じるんですけど、出家したのに野心や欲が捨てられないという人物なんですね。お坊さん役は初めてだし不安に思っていたんですけど、プロデューサーが「腹黒いところとかぴったりだから、この役は君しかいないよ」って(笑)

石井 僕は浮橋という〝布袋顔〟の忍者を演じるんですが…これまで殺陣はやらないスタンスだったのと(笑)、さらに忍は使う武器もクナイだとか普通の殺陣とも違うし、本当に課題が山積みで。もう、僕のシーンだけちょっとCG使っていただけないかと。

 

 2メートルを越える大なぎなたを振り回す巨躯の法師・石見坊玄尊を演じる寿里、義輝の剣術指南役・朽木鯉九郎を演じる山本らによる、切れ味鋭い殺陣も見どころの一つ。

石井 自分自身と対峙するようなシーンを、演劇としてどう見せるかっていうのは難しいところだと思うんですけど。どんな見せ方になるのか僕らもワクワクしてますし、ある意味この作品では刀がもう一人の主役でもあるので、長光なくして語れない部分があるんですよね。

山本 演じる僕らもアクションに精通してる武智さんの懐に飛び込んでいくということで、プレッシャーは半端ないんですけども。特に鯉九郎は剣の達人ということで、初めから強い設定だったりするので(苦笑)。

寿里 僕の演じる玄尊は大なぎなたと大太刀を2本使っていたという設定なんですけど、撮影で実際に持ってみたら僕の身長より長かった! どんな感じで使いこなそうか、まずは稽古が楽しみです。

 

 そして義輝の恋や日吉丸(のちの豊臣秀吉)ら若かりし頃の有力武将たちとの人間模様を描いたこの物語が、いわゆる戦国ものとは一線を画するみずみずしさを感じさせるのも興味深い。

石井 みんなが役と歳が近くて、リアリティを持って演じられるっていうのは強みだと思います。どんな作品でもそうなんですけど、この作品では特に人間同士のぶつかり合いが色濃く見せられるんじゃないかって想像してますね。

山本 本番までにみんなで演技や殺陣も説得力のあるレベルまで上げていくという課題はもちろんありますが…戦国時代の男たちの血なまぐさいストーリー、というのとはひと味違ったドラマをお見せできればと思っています。

 

インタビュー・文/古知屋ジュン
構成/月刊ローソンチケット編集部 11月15日号より転載

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掲載誌面:月刊ローチケHMVは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

山本匠馬
■ヤマモト ショウマ ’83年、大阪府出身。’05年に俳優デビューし、さまざまな作品に出演。声優としても活躍しており、現在「ナンバカ」(四桜犬士郎役)がオンエア中。

石井智也
■イシイ トモヤ ’84年、東京都出身。’03年のドラマ「WATER BOYS」で俳優デビューし、多数の人気ドラマに出演。出演アニメ「戦国鳥獣戯画」がオンエア中。

寿里
■ジュリ ’81年、千葉県出身。モデル・俳優として活躍。’05年~「ミュージカル・テニスの王子様」 (亜久津仁役)で舞台デビューし、11/27[日]までミュージカル「ヘタリア~The Great World~」に出演中。

井深克彦
■イブカ カツヒコ ’87年、岐阜県出身。第21回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストファイナリスト。’10年の舞台デビュー以降、多数の作品に出演。

 

≫染谷俊之インタビューはこちら

 

 

【公演情報】

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舞台「剣豪将軍義輝~戦国に輝く清爽の星~」前編

前編:2016/12/8[木]~14[水]
後編:2017年初夏
会場:東京・EXシアター六本木

★前編の詳しいチケット情報は下記ボタンにて!