≪読みモノ≫ ・取材してきました! ・観劇してきました! 2016-09-26 17:15

『ジャニーズ・フューチャー・ワールド from帝劇 to 博多』初日ゲネプロ&囲み取材レポ

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2016年9月19日に初日を迎えた『ジャニーズ・フューチャー・ワールド from帝劇 to 博多』。本公演は、2012年の初演から今年の6月公演まで、『ジャニーズ・ワールド』として東京の帝国劇場で上演されたジャニー喜多川氏による作・演出・構成のオリジナル作品の進化版といえる。今回、博多座公演の後は10月から大阪・梅田芸術劇場での上演も決定しており、初の地方公演が実現した。

これまでの『ジャニーズ・ワールド』では、滝沢秀明やHey!Say!JUMP、Sexy Zoneの佐藤勝利や中島健人、A.B.C-Zらがメインキャストを務めてきた。そんな中、今回の地方初公演の主演(座長)に抜擢されたのは、ジャニーズJr.内ユニット“Mr.KING”に属する平野紫耀。彼にとって今作は舞台初主演となり、博多座では史上最年少座長の記録を更新させた。そんな彼を支えるのは、同じくジャニーズJr.で活躍しているメンバーたち。ジャニーズJr.内ユニット“Prince”の神宮寺勇太、岩橋玄樹、岸優太、そして博多座・梅田芸術劇場では『Endless SHOCK』で主演の堂本光一のライバル役を務め、最近では自身の主演舞台でも好演している内博貴といった顔ぶれが揃った。

また、博多座公演では、ジャニー喜多川氏の構想により、4月に起きた熊本・大分地震の復興応援も込めて、九州男児新鮮組、FUD(エフ・ユー・ディー 福岡大学ダンスサークル)、RAKK(ラック 第一薬科大学付属高等学校ダンスサークル)の参加が決定。平均年齢14歳の九州のダンスチーム総勢38名が、ジャニーズと初のコラボを果たしている。

 

ローチケ演劇部では、その博多座公演での初日通し稽古と、その後開かれた囲み取材会の様子を長編レポートでお届けします!

<通し稽古レポート>

今回の初日通し稽古には、マスコミ関係者以外に九州のダンスチームの家族・関係者も参加。開演前の会場は、我が子を見守る家族たちなどの期待と緊張感であふれている様子。そんな中、ステージ上の幕にはジャニーズの舞台を代表するミュージカル『Endless SHOCK』をはじめとした過去の舞台作品から、KinKi Kids・嵐・NEWSなど所属タレントたちのコンサート映像が流される。

オープニングは、白い煌びやかな衣装を纏った平野紫耀に続いて、Princeの3人やジャニーズJr.たちが登場。続いて九州のダンスキッズたちが紹介され、自ら考えたという振付・構成のダンスを披露してみせる。

こうして始まったステージでは、“子どもたちの未来”に焦点を当てて物語が進行。大空襲で逃げ惑う少年たちやタイタニック号の悲劇など、世界で起きた歴史的悲劇の数々を主人公がタイムスリップで見せていく中、劇中の「悲劇を受け入れ、そこから何かを学ぶ」、「過去は変えられないが未来は変えられる」という台詞が強く心に突き刺さる。地球の大切さや平和の尊さ、地球の未来を危惧しながらも子たちへの輝いた未来を願う、ジャニー喜多川氏の思いが台詞ひとつひとつに投影されているかのようだ。

そんなシリアスな場面や台詞があるかと思えば一転して、関西ジャニーズJr.たちによる“お笑いランド”という場面では、アドリブでは?と思われる軽快なトークが炸裂。急なムチャぶりに慌てながらも実行する平野が、おもわず関西弁のイントネーションになって照れたりツッコんだりと、和気藹々と進むこの場面では客席からも笑い声があがっていた。

そして、ストーリー以外の見どころといえば、ジャニーズ舞台ではおなじみとなる数々のフライング。全部で5種のフライングに平野紫耀が挑戦。ステージの幕に映し出されるニューヨークのビル群を、まるでスパイダーマンのように駆け上がってみせるかと思えば、命綱がないまま腕の力だけでロープを握り体を横に浮かせてクルクルと高速で回転しては客席を圧倒させる。他にもバトントワリングを取り入れた演出やイリュージョン、和太鼓やスネアドラムなどの楽器演奏、ジャニーズの先輩たちの曲からオリジナル曲までを出演者が一丸となって歌って踊る華やかなショーが約2時間のステージに凝縮。数々のジャニーズ舞台作を一気に味わった感覚に陥る。そんなジャニーズの華やかなステージの中で、九州のダンスキッズたちもロックダンスやアクロバティックなブレイクダンスなど、各チームが得意とするダンスをジャニーズJr.たちに負けず劣らず笑顔で披露し、観客に元気を与えてくれる。

ジャニーズと九州を代表したダンスキッズたちが一体となった瞬間に、心温まる思いと明るい未来を感じさせられつつ舞台は幕を閉じた。

『ジャニーズ・フューチャー・ワールド』は、平和の尊さ、地球の素晴らしさをエンタテイメントで表現する、ジャニー喜多川氏の決定版のショー。博多座公演からは『ジャニーズ・フューチャー・ワールド』と改め289回の上演を積み重ね、博多座では記念すべき上演300回を達成するという。その博多座公演は9月30日まで残り数公演。続いて10月8日~25日まで、大阪・梅田芸術劇場にて上演。あいにくチケットは完売しているものの、次回公演がある際には、アイドルのステージ=若者向けなどと敬遠することなく、子どもから大人まで幅広い世代に是非観劇して頂きたい。

 

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<囲み取材会レポ>

通し稽古が終わって15分もしないうちに始まった囲み取材会。夜の初日本番を目前に、疲れを見せることなく、主演の平野紫耀、内博貴、神宮寺勇太、岩橋玄樹、岸優太ら5人が集まってくれた。

 

ゲネプロを終えての感想は?

平野「今まではちょっと自分の出演シーンのことで忙しくて、いっぱいいっぱいになっていたところがあって、舞台袖にはけてスグに着替えたりしていたんです。でも今日は九州男児の子たちや内君をはじめPrinceなどみんなの場面を改めて見たら、『アッ!こんなところがあったんだぁ』というところがたくさん出て来て。スゴいパワーが出ているんだなぁと思いました」

と、初日直前ともあって、座長として全体を見渡す余裕が出てきたようだ。

 

アクロバットや太鼓など、今までのジャニーズ・ワールドなら分散されていた部分を今回は一人で担っているが、稽古は大変じゃなかったのか?

平野「そうですねぇ、出来ジュ(=デキるジュニア)なんで(笑)。ウソですウソですよ!」

 

と言っておどけてみせるも、自分のジョークに照れながら内博貴やPrinceの様子を伺う平野に対し、皆が一斉に内へと視線を注ぐと・・・

 

「え?聞いてませんでした(笑)」

 

と言われ、平野が笑いながら安堵する場面も。

また、時間がない中で博多に入ってから台本などの手直しも多かったようで―

 

平野「台本をもらったのも緊急で・・・」

 

「僕は出ていないけど、皆が出ている場面は博多に入ってからガラッと変わりました」

 

平野「むしろ、こちらに来て全部変わったという感じで・・・」

 

「毎日変わっているような感じです。さらに今後も変わるかもしれないですよね」

 

平野「フライングの稽古期間は全部あわせて3日間。激突や壁バージョンも新しいフライングも3日間に凝縮させて練習しました。稽古の時間が少ない中、いかにクオリティをあげるか、いろんなアドバイスを頂きながら稽古していましたね。博多に入ってからは、内君に夜までお芝居の稽古に付き合ってもらったりしましたよ」

 

と覗き込むように何度も内を見る平野に対し、

 

「な~んやねん(笑)」

 

と、一歩下がった位置で後輩を見守るように話を聞いていた内が、少し照れくさそうに優しく突き返すと、それでもさらに先輩への感謝の気持ちはつきない様子の平野は、

 

平野「ほんとに、内君がマンツーマンで教えてくれまして。本当にお芝居が大好きなんだな~と。内君がいてくれて助かりました!まだ僕自身、完成している訳じゃないんですけど、これからもどんどん内君にアドバイスをもらって、成長していけたらなと思っています」

 

と、高みを目指すキラキラした眼差しで嬉しそうに語った。

 

そんな平野や後輩たちの姿を見ている内は―

 

「ジャニーズ・フューチャーワールドが、また1つ新しい演目になったんじゃないかなと思っています。紫耀だけじゃなくて、皆がキラキラ輝いているから、『あぁ・・・俺も昔、こんな時代あったな~』と思いながら見てます。僕もうカサカサですよ(笑)」

 

平野「それ、僕の声です(笑)」

とハスキーボイスでボケる平野に対して、

「そんなん、言わんでええねん(笑)。でも、みんな本当にね、一生懸命にやって汗かいてアグレッシブにやっているから、見ていてすごく気持ちがいいですし、そういう意味では僕もいい刺激を受けてやらせてもらっています」

 

そして、Princeの3人も―

 

「今回、いい感じに出させてもらっています(笑)。僕らとしては、歌・お芝居・ダンスの3種そろってやる機会はあんまりないんですよねぇ」

 

岩橋「神宮寺は以前から太鼓を少しやっていたけど、僕と岸君はスネアドラムだったり和太鼓だったり、この舞台で初めて挑戦しているので、やっていて楽しいです。筋肉がついてきて、今、めっちゃマッチョなんです。でも、今回はちょっと男らしく舞台に臨もうかな~と思ってやっています」

 

神宮寺「今回、みんなで合わせて演奏するんですが、何回も確認したりしていくうちに、皆が覚えるの早くて追いつかれるんじゃないかと思って、僕もすごく練習しました」

 

岩橋「九州男児新鮮組の他、九州のダンスチームの子たちに僕たちも負けられないし、この博多座だけでの舞台なので頑張っています」

 

平野「ほんとに、斬新??あ、新鮮!(笑)な気持で皆とコラボできたんです。4月に熊本・大分で大きな災害が起こったにも関わらず、九州のダンスチームの子たちが元気に頑張って参加してくれています。だから、この舞台を観に来て頂いた皆さんに、彼らと一緒に頑張っている姿を見て元気を与えることが出来たらいいなと思いますし、タイトルに“フューチャー(=未来)”とありますが、明るい“未来”を僕たちの手で作っていけたらいいなと思います。今回、タイタニックの場面で岸君と一緒に出て来る九州男児~の子は、初めて芝居にも挑戦したりしているんですよ」

 

「あの子は小学校4年生なんですけど、初めて芝居やっているのに覚えるのも早くって。彼らはダンス以外に歌なんかも覚えて歌ってくれて、オールマイティなんでスゴイ!」

 

平野「本当に、彼らには逆に刺激しかもらっていないですね。座長として、九州に来た時に東京からゴマ団子をお土産に買ってきたんです。60個くらいをエレベーター前に置いていたんですが、帰りその前を通ったら若干残っていてショックでしたけど(笑)、皆が食べてくれて嬉しかったです」

 

内が以前の取材で話していたという、座長が皆をご飯に連れていく“座長会”はまだ開催されていないのか?

 

「やはりね、全員で動くと目立つじゃないですか。それに未成年の子も多いんで、まだやっていないですが、外に出れないとなってくると・・・ホテルのルームサービスでいいのかな?と(笑)」

 

平野「何号室にラーメンを!とかでいいんですかね?(笑)」

 

岩橋「(座長から)それはまだ届いてないですけど(笑)、彼の背中を見て踊っているとこっちも負けていられないなというイイ思いが毎回こみ上げてきます」

 

平野「こういうの、まじまじと聞くことがないので、直接聞くと若干・・・気持悪いですね(笑)。そう思われているんだな~というのを背中で感じながら、正面でステージに立って頑張りたいと思います」

 

するとここで記者から全員に平野への座長としての思いを聞かせて欲しいというリクエストが出ると―

 

平野「いやいやいや!マジっすか?(小声で)恥ずかしい・・・」

 

岩橋「博多座の楽屋前に貼り出されている紙に、広い一人部屋で“平野紫耀”と書いてあるのを見ると、『あぁ、座長だな~』と思います」

 

「けど、紫耀の部屋を見ると、広いから使いきれてないんですよねぇ(笑)」

 

岩橋「自分一人の部屋があるのに、一人だと広いからって僕たちの部屋に来て、皆でご飯食べてますよ(笑)」

 

「紫耀の部屋は、光一君(が使っていたの)と同じ楽屋ですね」

 

平野「ですね・・・」

 

神宮寺「九州男児の小さい子たちと絡んでいるところを見ると、紫耀が大人っぽく見えて・・・錯覚で?というか(笑)そう見えて、後ろ姿がたくましいので、後ろから見ていて『あぁ、本当に座長なんだな~。自分たちもがんばらないとな~』って思います」

 

平野「こんなこと言ってくれていますが、裏では『Hey!座長!』って軽い感じで、お寿司屋さんのノリみたいになってますよ!(笑)」

 

皆の話を聞く限り、座長の風格が知らずと漂いだしているようだが、舞台上の関西ジャニーズJr.との絡みのシーンでは実はあたふたしているようで

 

平野「あそこは本当に本性が出ちゃうというか、急にふられたりするので、僕、すっごくテンパるんですよ。座長の平野ではなく普通の平野が出てしまうんですよ。あそこは危険ポイントですねぇ。大阪公演では(関西ジャニーズJr.が)もっと増えますから、負けないようにしないとですね(笑)」

 

初座長ということもあり、ジャニー喜多川氏からアドバイスなどはあったのか?

 

平野「ジャニーさんからは、『気を引き締めて頑張って』ということと、『気をつけないで!』って言われました。任されたのはそれくらいですが、逆に心に負荷を持たせることなく、自分たちが挑戦したいことをやれる感じになっています」

 

博多座での史上最年少座長ということに関してはどう思っているのか?

平野「最年少座長は有り難いことなんですが、この博多座は光一君も滝沢君も大成功させている舞台なので、最年少という言葉に頼らず、僕も一人の男としてこの舞台を成功させなければなという思いです」

 

博多座では10日以上の公演になるが、ホテルでの過ごし方は?

 

平野「僕は、帰ってご飯食べて寝る・・・っていう感じです。以前のジャニーズ・ワールドでは(中島)健人君と(佐藤)勝利がやっていた場面を僕一人でやっているので、本番中は疲れていることはないけど、終わると部屋のドアを開けた瞬間に『ふぅ・・・』とうな垂れることが多いので、スグにバタンキュウしてます。だから、朝お風呂に入ることが多いですね」

 

最後に、メッセージを!

平野「今回、僕達もとても張り切って舞台に臨んでいますが、九州の子たちもはりきって共に仲間として頑張っているので、熊本・大分の方をはじめ全国の方に是非観に来て頂けたら嬉しいです!」

 

取材・文/ローチケ演劇部(シ)

 

【公演情報】

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『ジャニーズ・フューチャー・ワールド from帝劇 to 博多』

作・構成・演出:ジャニー喜多川

出 演:平野紫耀、神宮寺勇太、岩橋玄樹、岸優太、ジャニーズJr.、

九州男児新鮮組、FUD、RAKK、

内博貴

 

公演期間:9/19[月・祝]~30[金]

会  場:博多座

 

※10月8日~25日までは大阪・梅田芸術劇場にて『ジャニーズ・フューチャー・ワールド』

 として上演。チケットは全日程完売