・インタビューしちゃいました!! 2016-04-15 00:00

「ヒトラー、最後の20000年 ~ほとんど、何もない~」
ケラリーノ・サンドロヴィッチ&古田新太&成海璃子&賀来賢人
インタビュー

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“デタラメを徹底的に極める”
KERA×古田のコラボ企画第3弾!

 

 ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)と古田新太がタッグを組み、これぞナンセンスという芝居を繰り広げるシリーズ第3弾『ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜』が7月、上演される。

古田「おいらたちは若いころからずっと、『誰がいちばんデタラメか』を競うようにやっていた。でもいまや、劇団☆新感線が人情芝居をやるようになってるんです(笑)。だからこそ、この KERAっちとのユニットでは、ひとかどの俳優さんを集めてデタラメをやろうと」

 

 今回は古田をはじめとする手練れの役者陣のなかに、成海璃子と賀来賢人、二人の若手実力派が参加する。

成海「KERAさんとは15歳の時に映像でご一緒してからずっと、舞台をやりたいと思ってたんです。やっと念願叶ったと思って詳しく聞いたら『これです』と言われて、いまはとにかくドキドキしています(笑)」

賀来「前作『奥様お尻をどうぞ』は大笑いしながら観ましたけど、観るのとやるのでは全然違いますからね……。でも僕はこの舞台をきっかけに大ブレイクをめざします。NGなしのつもりでなんでもやります!」

 

 「NGなし」の言葉にすかさず「賢人は必然性があれば脱げるだろ?」と問いかける古田。それに「……はい!」と返事をする賀来。そこからベテラン2人と若手2人の丁々発止の会話が進む。

KERA「いや、この芝居の場合、脱ぐとしたら必然性のないところで突然脱ぐシーンが入ってくると思う(笑)」

賀来「どうせならそのほうがいいです!」

古田「璃子ちゃんも賢人も、新感線`を経験して、ベタは通過してるから(笑)。常識的な芝居ができないと、ナンセンスはできないんだよね」

KERA「(新感線ほど)大きい声出さなくていいからね」

成海賀来「はい(笑)」

 

 若い二人に伝授すべきナンセンス芝居のコツを聞くと「ちゃんとやること」と即答する古田。

古田「おいらは台本を一字一句変えずにやる俳優として有名ですから(笑)」

KERA「ナンセンスって、ほかの芝居よりフィルターがひとつ多い気がするんです。まともではないことを言っていても、その言ってる人の中では筋が通っている。そのためには、その場がすごくくだらないのに、『もしこの場が悲しいとしたら』って考えて演じなきゃいけない。その点で言えば、古ちんの『一字一句たがえない』というのもあながち間違いではないんですよ。みなさんが思っているほど適当につくってる芝居ではないんです(笑)」

 

 古田いわく、「ナンセンスをやる劇団が減ったからこそ、『ここまでやっていいんだよ』と言いたくて始めた」というKERA×古田シリーズ。しかし第1弾の「犯さん哉」から9年経ついまも彼らが最先端のままであり、演劇界にナンセンスが増えている様子が目立って見えない。

KERA「見返りが少ないんですよ。面白かったっていうわりに爆笑をとるような芝居でもないしさ」

古田「ほめられないんだ。賞もとれないし。これで読売演劇大賞でもとればナンセンスが流行るかもしれないけど(笑)」

KERA「笑いの芝居だけれども、根にあるものは凶暴なんですよね。僕はナゴムの頃から、大槻ケンヂや石野卓球と一緒にくだらない音楽をやってきた。でも、表層がくだらなくても、根っこにある凶暴さは璃子がよく聞いているラフィンノーズとか奇形児とやっても負けないぞって気持ちだったんです。コメディって、強い力を持ったものだから」

 

 凶暴さを秘めたくだらなさ。そのためにベテランが、そして若手が脳に汗をかいて挑む舞台が、この夏に幕を開ける。

 

インタビュー・文/釣木文恵
Photo/植田真紗美
構成/月刊ローソンチケット編集部 4月15日号より転載

 

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【プロフィール】

ケラリーノ・サンドロヴィッチ
■’63年、東京都出身。劇作家、演出家、映画監督、音楽家でナイロン100℃の主宰。’16年、第23回読売演劇大賞優秀演出家賞、最優秀作品賞ほか、多数の演劇賞を受賞している。

賀来賢人
■カク ケント ’89年、東京都出身。NHK連続テレビ小説「花子とアン」に出演し、脚光を浴びる。4月21日﹇木﹈よりドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」にレギュラー出演。

成海璃子
■ナルミ リコ ’92年、神奈川県出身。’00年、「TRICK」でドラマデビュー。数多くのテレビドラマや映画、CMに出演している。主演映画「無伴奏」が公開中。

古田新太
■フルタ アラタ ’65年、兵庫県出身。劇団☆新感線の看板俳優。出演映画3作品の公開を控える一方、テレビ朝日「関ジャム 完全燃SHOW」など多方面で活躍を見せている。

 

【公演情報】

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『ヒトラー、最後の20000年~ほとんど、何もない~』

日程・会場:
2016/7/24[日]~8/21[日] 東京・下北沢 本多劇場
2016/8/27[土]・28[日] 北九州芸術劇場 中劇場
2016/9/1[木]~4[日] 大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2016/9/10[土]・11[日] 新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場

★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!